【旧記事再掲】こちらのエントリは、以前、私が「はてなダイアリー」に投稿していた旧BLOGからの再掲記事です。お気に入りの記事の幾つかは、こちらの新BLOGにも少しずつ移行していこうと考えています(オリジナルは、2009年10月4日に投稿)。
=====
テレビアニメ「にゃんこい!」の第一話を見ました!
コメディ要素は楽しいし、主人公のキャラクターは好感を持てるし、声優さんのキャストも良くて、そしてネコや女の娘が可愛い! というわけで、とても好きな作品でした。
中でも、個人的におもしろかったのがBGMの豊富さでした。今回のエントリでは、その辺についてちょっと感想を書いてみます。
『にゃんこい!』におけるBGMの豊かさ
「にゃんこい!」を見ていて、特に興味を惹かれたのが劇中の音楽です。
アニメの中では、スティールパン、大正琴、アコーディオン、ピアノ、フルート、エレキギター、クラシックギター、口笛などなど。さまざまな楽器を使った「音」が劇伴に使用され、カラフルで豊穣なメロディを奏でています。
それらの音の大部分は、恐らくはシンセサイザーの打ち込みによるものだと思うのですが、様々な楽器の音を使用できるシンセサイザー作曲の強みとして『にゃんこい!』のBGMのふり幅はかなり大きくなっています。
例えば、猫を可愛がる主人公の家族の姿を描いた前半の日常パートではスティールパンの音色を用いた楽しげな曲を使ったり、
物語の後半では主人公の精神的な落ち込みの度合いと孤独感を演出するために哀愁のあるトラックを使用したり、
はたまた深作欣二の仁侠映画『仁義なき戦い』オマージュなイントロが顔を覗かせたり……と、その音楽のジャンルやイメージはバラエティに富み、トータルとして実に奔放かつ楽しい劇伴に仕上がっています。
劇伴で、統一感のある音楽ジャンルやメロディを用いることによって、作品全体にまとまりのあるイメージを付与する……という方法もあるかと思うのですが、本作の場合は、音や曲調に大きく幅をもたせることによって、劇中の賑やかで明るいイメージを演出しているのではないかと感じられるのです。
劇伴の作曲者、大川茂伸さんの手腕
様々な音とメロディを駆使してアニメ本編を盛り上げ、また、キャラクターの魅力や感情表現を彩ってくれる『にゃんこい!』のサウンドトラック。それらの作曲を担当されているのが、大川茂伸さんと三輪学さんのお二方です。
大川さんといえば、アニメファンの間では『魔法先生ネギま!』のOP主題歌『ハッピー☆マテリアル』の作曲者としても高名なコンポーザー。
『ハピマテ』は、アッパーな打ち込み音が特徴の楽曲でしたが、大川さんが手掛けた他のアニメ主題歌を聴いてみると、『コヨーテ ラグタイムショー』の『COYOTE』では管楽器が、『我が家のお稲荷さま。』の主題歌だったヒトミソラの『KI・ZU・NA ~遥かなる者へ~』ではストリングスっぽいアレンジが印象的に耳に残り、その音楽表現の手法は実に様々。そこからは、大川さんが持っている豊富な音楽的語彙と、各音楽ジャンルへの様々な知識が伝わってきます。
『にゃんこい!』における多様な音の使い方にも、こうした大川茂伸さんの幅広い音楽ジャンルへの探究心が大きく貢献をしているのではないかと思います。
また、もう一人の作曲者である三輪学さんは、”Manack”名義で『リトルバスターズ』などのPCゲームの作曲を中心にご活躍をされているゲームファンの間では有名な作曲家さんらしく、一人ではなく二人で作曲を行っているのも、『にゃんこい!』という作品における音楽の自由度に繋がっているように感じられるのです。
『にゃんこい!』は、ストーリーだけではなく、音楽でも楽しませてくれる作品!
『にゃんこい!』第1話は、アニメ本編の可愛らしさやコメディ感覚は勿論のこと、豊かなBGMと楽曲センスも非常に愉快で楽しい作品でした。個人的には、今後もそういったところにも注目をして本作を楽しんでいこうと思います。
また、映像面でおもしろかったのが、時々挿入される猫視点による煽りからの絵の数々です。原作の描写を上手くアニメにも取り込まれていて、こういう視点を変えた映像っていうのは良いアクセントになっていて、かなり印象に残りました。
あと、オープニングでやたらと女の娘のお尻(尻尾)を強調していたのも素晴らしい! やっぱり、川口敬一郎監督のコンテや演出は、明るくて、ちょっとエッチで最高です!
=====
自分は、テレビアニメ作品の中でも、この『にゃんこい!』が別格クラスに大好きなのですが、第1話を観た直後に書いた感想エントリがこちらです(再録にあたって、一部テキストの修正、キャプション画像の差し替えを行っています)。
大川茂伸さんは、コンポーザー、アレンジャーとして、様々なジャンルで精力的に活動中。現在は、2.5次元系の舞台や、海外発のゲーム作品にも音楽を提供しているようです。
今後も、『にゃんこい!』関係のエントリは、こちらに再録をさせていただきたいと思います。
この記事へのコメントはありません。