【旧記事再録】こちらのエントリは、以前、私が「はてなダイアリー」に投稿していた旧BLOGからの再録記事です。お気に入りの記事の幾つかは、こちらの新BLOGにも少しずつ移行していこうと考えています(オリジナルは、2009年10月14日に投稿)。
=====
テレビアニメ『にゃんこい!』が、おもしろくてしょうがないです。
物語の中心に「女の娘」と「猫」という非常に魅力的過ぎる二つのモチーフを配置している時点で、何とも「ズルいな~」という感じなのですが、可愛い女の娘と猫が作り出すハッピーな空気がまんまとツボに入ってしまい、毎回楽しんで観ています。
特に、田中敦子さんの声がハマり過ぎ&貫禄あり過ぎのニャムサスさんと、元マンバギャルの住吉加奈子さんがお気に入りのキャラクターですね。
とはいえ、勿論「にゃんこい!」の魅力は可愛い女の娘と猫だけではありません。
女の娘や猫たちに翻弄され続ける主人公、潤平の愛すべき振り回されっぷり。そして、作品全体のコメディ感を大いに盛り立てる派手な演出を使った”リアクション描写”の数々も本作の大きな魅力になっているように思うのです。
『にゃんこい!』のコメディ描写
本作は、主人公の潤平がフトしたきっかけで神罰を受け、猫の言葉が分かるようになってしまったことから始まるドタバタを描いたコメディ作品なわけですが、そこで目を引くのが「猫」をきっかけにして主人公が非日常へと巻き込まれていくという物語の構成です。
アニメや漫画などで男性主人公が可愛い女の娘に囲まれているコメディ作品は沢山ありますが、そうした作品の多くは、女の娘との出会いをきっかけにして主人公の日常が瓦解しコメディへとなだれ込んでいくという構成を用いています。
対して、『にゃんこい!』では、主人公の日常は猫との出会いによって崩壊をしてしまいます。主人公は、猫の神様の怒りをかって呪われてしまい、猫アレルギーなのにも関わらず困っている猫たちのために奔走するハメになってしまう。
この物語の骨格を追い掛けるだけだったら、極端な話「にゃんこい!」は女の娘が登場しなくても話が成立する作品ですらあるように思うのです。現に、第1話では主人公と猫たちの会話のみで話がドンドン進んでいきます。
『にゃんこい!』は、ラブコメ作品ですが、そこに、一風変わった設定を加えることで、”コメディ”のパートに強靭さが生まれています。つまり、恋愛模様の機微を楽しむというラブコメ本来の楽しさにプラスして、シンプルに、”笑える”シーンが沢山ある作品なわけです。
各種コメディ描写に大きく貢献しているのが、主人公の物の見事な巻き込まれっぷりです。物語の中で、潤平は、徹底的に受身のツッコミ役であり、猫たちの様々なトラブルに、或いはヒロインたちとの騒動に巻き込まれては、ひたすら振り回され続けます。
そして、そんな潤平のユーモラスな振り回され感を盛り上げているのが、劇中での「リアクション芸」とでもいうべき描写の数々です。
豊富なリアクション芸の数々
第1話と第2話を観ていて、特に目についたのが、潤平の「吹き出す」描写です。
驚いた時やギャグに対して、潤平は口に含んでいた飲み物や唾液(?)を豪快に吹き出して、感情表現とリアクションを行います。
ベタといえばベタな表現ではありますが、いずれのシーンも何ともいえない勢いが絵と動きに宿っており、思わず、笑ってしまう。
『にゃんこい!』における潤平のリアクションの数々は、とにかく楽しく、とことんポップである故に、とても目を引きます。
例えば、白眼を向いてのデフォルメ化や、身体が燃え尽きて、真っ白になるという演出。
加奈子さんとのやり取りで、相手の言葉にショックを受けた場面では、背景が砕け散るイメージに加えて、更に、「ガーン」の描き文字。こういう演出の楽しさが何とも堪りません。
こうしたシークエンスが、劇中で実にセンスよく配置されおり、作品内のドタバタ感に溢れたコメディを高めるのに大きく貢献しています。
勿論、こうした派手なリアクションの演出が行われているのは、主人公である潤平だけではありません。
ヒロインや他のキャラクターにも同様の演出を用いて感情表現やリアクションが行われており、とにかくユーモラスでかしましい作品の雰囲気を観る側に伝えてくれます。
可愛くて、ポップで、スラップスティックで、そして、何より楽しい演出の数々。この辺りは、『にゃんこい!』の監督である川口敬一郎さんのお家芸という感じですが、本作もまた、その特異な演出術を存分に楽しめる作品となっています。
=====
こちらのエントリは、私が全アニメヒロインの中でも特別で、一番大好き(というか、”俺の嫁”)な住吉加奈子さんの初登場回となる第2話『その男 下僕?』の視聴後に書いたものです(再録にあたって、一部テキストの修正、キャプション画像の差し替えを行っています)。
いや~やっぱり、川口敬一郎監督作のポップな演出は素晴らしいですね! あと、やっぱり、住吉加奈子さんは可愛いな……。
この記事へのコメントはありません。