スマホアプリ『アズールレーン』を一年以上に渡って遊び続けている。
プレイのきっかけは、昨今の世相の変化により、在宅時間が膨大に増えたから。その圧倒的在宅時間に少しでも彩りを加えるべく、ずっと前から気になっていた『アズレン』をやってみることにした。
ふとしたきっかけで我がiPhoneにインストールされた『アズレン』だったが、継続ログインが続いているということは、自分的に、なかなかに魅力的であり、そして、なかなかに楽しいゲームだったということだ。
当然、遊び続けた時間に比例して語りたいことも増えてくる。沸騰した水から水蒸気が吹き出すように、ゲーマーは、ゲームに対して熱を帯びれば帯びる程、言葉が溢れてくる。そこで、自分なりに『アズールレーン』に対して思ったことを書き残しておこう。
“擬人化艦船少女×シューティングRPG”なる謎ジャンル
日本版がリリースされるや否や、その個性的なキャラクターデザイン……まぁ、もっと露骨に言えば、”エロさ”がSNSで受け、人気が爆発した本ゲーム。一時期は、同人界隈も大盛りあがりを見せ、各種メディアミックも多数展開。
正直に言えば、当初の熱は、かなり落ち着いたように感じられるものの、世の中に数多とあるスマホゲーの中でも、比較的、安定した人気を保ち続けているコンテンツと言えるだろう。初手こそ”エロ”が大きな引きだったとはいえ、ここまで作品とキャラクターを成長させるなんて、凄いぞ、Yostar。
ただ、個人的に、このゲームに興味を持った一番の引きは、”エロ”ではなく、公式に謳われている”擬人化艦船少女×シューティングRPG”というキャッチコピーだった。嘘じゃない。嘘じゃないぞ。決して、エロに惹きつけられたわけじゃないんだ。……まぁ、多少はエロが誘蛾灯的な役割を果たしたことは事実だけど……。
“擬人化艦船少女”は、未だ分かる(いや、冷静に考えたら、こんな複雑怪奇な造語を即座に理解できるのは、オタクだけだろうが)。きっと、『艦隊これくしょん』の爆発的ヒットを受けてのオルタナティブとして派生した戦艦モチーフなキャラクターが登場するゲームということだろう。
問題は、「シューティング(RPG)」である。シュ……シューティング? シューティングゲームをどうやってスマホでプレイするの? ショットを撃つ時は、どうするの? やっぱり、スマホの画面を連打するの? 高橋名人だったら、スマホの画面割れちゃわない? あの人、16連射でスイカを爆発させる人ぞ。
十字キーも無い、各種ボタンも無い。スマホゲームで出来るプレイヤーのアクションなんて、正直、たかが知れている。そんなメディアで、繊細な操作が必要なシューティングゲームをどうして展開できようか?
ここにこそ一番の興味があった。自宅時間を埋める為の新たなエンタメも欲していたし、「いざ、やらいでか!」というわけである。
ライトながらもSTGの芯を食ったゲームシステム
で、結論から言うと、私にとって『アズールレーン』は、一年以上に渡って遊んでいられる良ゲーと相成ったわけである。いや、実際、よく出来た……というか、よく練られたゲームだと思うんだ。
簡単に説明すると、基本的なゲームシステムは、完全に横スクロールな2Dシューティングのそれ。とはいえ、スマホゲームならではの操作体系の都合から徹底的な簡略化が図ってあり、独特の癖がある。
先ずは、ショットはオートで発射される。これは、いざゲームを触ってみて、一番インパクトがあったし、「成程、スマホでシューティングをやろうと思ったら、こうするしかあるまい」と納得もさせられた部分だった。
オートマティックに攻撃が行われるのだから、プレイヤーの基本操作は、自ずと、「敵機にぶつからないようにする」「敵弾を避ける」といったディフェンスの部分が中心となる。そして、その”守り”の概念も面白い。というのが、このゲーム、大まかな外枠こそ、シューティングゲームだが、その中身は、ほぼRPGゲームのそれに近いのだ。
どういうことかというと、各キャラクターには、「耐久」や「火力」、「回避」といった各種パラメーターが細かく設定されていて、その数値によって、ダメージ・被ダメージが決定する。「耐久」は他のゲームで「体力」や「ヒットポイント」と呼ばれる概念と同じで、これがゼロになると戦闘不能に陥る。逆に、耐久ゲージが残ってさえすれば、幾ら被弾しようとゲーム続行可能だ。
おもしろいのが、「回避」のステータスが存在していることで、この数値が高いキャラほど、相手の攻撃を避けやすくなる。そう、見た目はシューティングそのものなのに、「miss」によるダメージの自動回避があるのだ。
こうした各ステータスは、ゲーム内でレベルアップを続けることにより、上昇していく。また、様々な方法で入手可能な「兵装」……つまり、武器や防御アイテムを装備させることによって、数値にバフを掛けることが出来る。
総括すると、「攻撃はオートで、ある程度は、敵の弾に当たり続けても、ゲームが続行可能。そして、レベルの上昇やアイテムの強化によって、シューティングゲームが苦手なプレイヤーでも遊べるゲーム」。自分が『アズールレーン』に対して抱いた感想は、こんなところだ。
シューティングが苦手なゲーマーだから惹かれたアズレン
ハッキリ言ってしまえば、そこにシューティングゲームならではの緊張感やストイックさはない。手練のシューターにとっては、圧倒的に食い足りないだろうし、そもそも別のゲームにすら感じられるだろう。
だからこそ、自分には刺さった。
昔から、シューティングゲームには、多大な興味があった。ただし、反射神経や繊細なテクニックが要求されるシューティングは、余りにも自分にとって難しかった。
私が、ある程度の年齢を経て、ゲームセンターに通い始めた頃、ケイブの『怒首領蜂』がリリースされた。”弾幕シューティング”のルーツの一つである名作中の名作だ。圧倒的に美しいビジュアルと、その美しい画面を埋め尽くす敵弾の量に衝撃を受け、そして、魅了された。魅了されたが、元々、シューティングに苦手な意識があった人間だ。「これは、もう自分には関係ないな……」とプレイする前から諦めてしまった。
その苦手意識から東方シリーズも一切通らなかったし、こちらもゲーム画面の美しさに惹かれた『斑鳩』や『式神の城』も、興味はあれど、巧いゲーマーのプレイを後ろで観ていることしか出来なかった。
乱暴な言い方をすれば、『アズールレーン』は、”弾幕シューティング風”のゲームである。この”風”というのがポイントで、シューティング初心者を取り込む、そして、継続プレイをさせる工夫と、スマートフォンという操作方法が限定される媒体の中で、簡略化されつつも、それでも如何に弾幕シューティングの魅力を再現するか? というアイデアが詰まっている。
だからこそ、面白かった。だからこそ、遅れ馳せながらハマった。この他にもシューティングゲームの芯を食った要素は、ゲーム中に点在しており、その創意工夫に触れる度に唸らされた。お気に入りのキャラもいる。
反面、スマホゲーならではの問題点や不満点も勿論、ある。あるのだけれど、このゲームが昨今の世界的情勢によって、彩りを欠いた自身の毎日に、刺激と楽しさをくれたのは確かだ。ありがとう『アズールレーン』。これからもよろしく『アズールレーン』。ちなみに、キャラクターは、ワシントンさんが、一番大好きです。
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