川崎CLUB CITTA’にHawaiian 6主催のフェス『Echoes』を今年も観に行く。仕事の都合もあって、二日目のみの参加。10月は、パンク絡みのフェスは、本イベントが唯一かつ何よりの楽しみ。職場で急な欠員が出て、そのしわ寄せが全部、自分に降り掛かってきた。ので、KAPPUNKも八王子でのMATSURIにも参加出来ず。その辺のフラストレーションも込みで、このEchoesに全てを賭ける心積もりで気合を入れて参加した。
早めの昼飯を腹に入れて川崎へと出発。川崎は、チッタで大きな音楽イベントを観に行く時ぐらいしか出掛けることが無い。その為、毎度毎度、最寄り駅からのルートを忘れてしまい、スマホで経路を調べながら向かうことになる。東京駅からJRの東海道本線の経路が一番スマートらしいのだが、果たして、去年のEchoesもその道程を踏まえて行ったものか、或いは、別の電車を使ったのかサッパリ思い出せない。そもそも川崎自体が、「ラ チッタデッラ」というエンタメとカルチャーがギュッと詰まった、CLUB CITTA’周辺以外、一切知らない訳で、「俺、川崎という街にほぼ興味が無いのかもなー」と改めて思ったりしながら電車に揺られていたら、あっという間に川崎駅へ。東京、新橋、品川ときて、次にいきなり神奈川県川崎市へと飛ぶ東海道本線のワープ感。
川崎までのルートはサッパリ覚えられないにも関わらず、CLUB CITTA’までの道のりは完全に頭の中に入っていて、「あー俺、本当にチッタ以外、この街のことを何も知らないわ……」と思っていた矢先に、トンデモなく好みなルックスの女性を発見。上背は無いポッチャリさんではあるものの、爆乳、爆尻。そして、左腕にはワンポイントのタトゥー。それがチューブトップにハーフパンツという露出度が異常に高めで超挑発的な格好で歩いている。おいおい、マジかよ。バカなので、チッタの反対側の改札へと向かうその女性の後をついつい追ってしまった(最低ですね)。
すると、そのエロい女性は、川崎競馬場であるとか、ソープ街とかがある、ラ チッタデッラの華やかさとは正反対なあの辺に直結するJR川崎駅東口の改札を出ていったのだった。明らかに異性を挑発するファッションをしていたし、「……まぁ、あの辺にある風俗店のキャストさんかなぁ」と独りごつ。陽と陰、明と暗。俺の知らない川崎の側面に触れた気がして、そのままフラフラと風俗街へと引き込まれそうになったが、いやイカンイカン、俺はパンクなのだ! と自分に言い聞かせ、CLUB CITTA’へ。
日曜日のラ チッタデッラは、屋台が出店され、キッチンが顕現し、ありとあらゆるところで音楽が鳴り続けている。エリア一帯がお祭り気分で何だか現実感が無い。でも、チッタの音楽フェスでしかこの街に降りない自分にとっては、この浮かれた雰囲気こそがこの街の全て。一方で、このエリアを離れればそこには公営ギャンブル場が有って、性風俗店が有って……というのが川崎という街なので、何とも不思議な気分になる。そんな違和感と奇妙さにフワフワしながらホールへ。ちゃんと時間を見て移動したおかげで、初手のlocofrankからステージをシッカリと観ることが出来た。以下、特に印象に残ったバンドの感想をツラツラと。
locofrank
メロコアやポップパンクいったジャンルの音楽を然程、積極的に聴いて来なかった人間なのだけれど、こういう大きなイベントで沢山の人たちがメロディックなパンクに乗せて楽しそうにモッシュやダイブを繰り広げているのを観るのは、やはり最高だなと思う。
一時期の流行り廃りに関係なく、ずっとメロディックハードコアやり続けているバンドなので、当然のように演奏も盛り上げ方も抜群に巧い。一番手として最高の人選だと思うし、今日のイベントが最高のものになるという確信と多幸感を初っ端からいただいた。
Endzweck
サブステージに移って、二番手はEndzweck。最初にポップパンクを見せておいて、間髪を置かずに叙情派ニュースクールハードコア(という括りで語れるバンドでも最早、無いけど)をブチかますという『Echoes』ならではの”かまし”が良い。こういうの1,000人規模なキャパでの大型イベントならではの揺れ幅と魅力だし、如何にもハードコアのフェスだよなと思う。
Endzweckのステージは、Ninja Boyzがロフトで開催した『FAST TO HELL』に続いて、今年で観るの二回目。当然の様に最高。近々、周年を迎えるそうだけど、今後の予定がほぼ決まっていないそうで、もっとガンガンステージを観たいし、観に行かなきゃなと思った。そして、出番を終えた宇宙さんは、今年もフードブースでホットドッグを売っていた。
GARLICBOYS
自分たちの世代ならば、真っ直ぐド真ん中に大好きだったバンド、GARLICBOYS! 学生時代、『あんた飛ばしすぎ』なんて、パンク知らない同級生でも何故か歌えたもんだ。フェス仕様のセットリストということで、当然の如く、鉄板な盛り上がり曲連発。(途中の活動休止期間はあれど)この辺りは、ベテランバンドの強みだ。
前半戦は落ち着いて観ていようと思っていたにも関わらず、つい盛り上がってしまい、ぐいぐい前に進行し、揉みくちゃになりながらシンガロング&モッシュ。バカなので、大声を出し過ぎ、はしゃぎ過ぎで、ステージング後に物凄く気持ちが悪くなるが、「ここで吐いたら、周囲の楽しい雰囲気と時間を全て台無しにしてしまうな……」と思い必死に耐えた。階段の踊り場にへたり込んで、体力回復に励む。嫌な生アクビが出まくって、本当にヤバかった。グロッキー状態の為、次のオナニ渕剛はパフォーマンスを丸々、観れず。後日、Xを眺めていたらライブ動画が流れてきたのだけど、想像の少なくとも100倍は酷くて素晴らしかった。オナニ渕剛、観たかったなー……。
STINKY
個人的に今年のEchoesで一番の収穫だったのが、沖縄のSTINKY! 初めて観たのだけれど、一言で言えば、とてつもなくカッコ良かった! 自分は、ニュースクールハードコアであるとか、メタルコアとかビートダウンとか、タフガイなんとかの音楽をほぼほぼ通っていないのだけれど、そんな自分ですら素直にカッコ良い! と思えたのだから、コレは相当にカッコ良いバンドなのだと思う。
重くて速いハードコアなのだけれど、要所要所でエモいメロディを出してきて、そのセンスが絶妙。”沖縄”という特有の個性もメンバーのルックスや言動から感じられて、そこも心に刺さった要素の一つだった。思わず物販でTシャツも購入。音源もチェックしてみよう。来年以降も、また観たいなー!
KiNGONS
こちらも初見なKiNGONS。ショッカーの戦闘員のように目の周りを真っ黒に塗ったショッキングのビジュアルやバンド名、それから、どうやらギターウルフのフェスとかに出てるらしいという最低限の知識のみで対峙したのだけど、良かったねー! KiNGONS!!
ギターは投げるわ、脚立を持ち出すわ、スモークは炊きまくるわで、ひたすらに破天荒なパフォーマンスと3コードのロックンロールによるラフさを武器にしているようなのだけど、いや、アレはムチャクチャやっているようで、メンバー全員が物凄く練習していると思う。ラフに”ガレージロック”ってジャンルでは片付けられないテクニックとバンドやロックに対する真摯な姿勢を感じたもの。
特に、フロアを巻き込んで派手なパフォーマンスを次々に繰り出すメンバーの後ろで、ストイックにリズムをキープし続けるドラムが音も込みで良かった! 「ハードコアパンクのフェスで、ちょっと毛色が違うかな……」と観る前は思っていたけど、終わってみれば、Echoesにマッチしていたね。次は、シェルターとかのライブハウスで観てみたい。
spike shoes
個人的に、この日、一番のお目当てだったのが仙台ハードコアのspike shoes! 絶えず進化と深化を続けるバンドで、現在進行系のステージは最新作かつ大傑作な『OWN』収録曲が中心となっているのだけど、ありとあらゆるパンク、ハードコアのエッセンスを消化したトンデモないステージで魅せてくれる。
エクスペリメンタルであり、ドゥーミーであり、ダビーであり、ストーナーであり、スラッジであり……と様々な音楽的要素を感じることが出来るのだけれど、とどの詰まりは、spike shoesにしか表現出来ない”ハードコアパンク”にまとまっているのが素晴らしい。
この日も持ち時間の中で、濃密なステージングを展開。ラウドかつ多層的な音(特に低音)で揺さぶられ続ける音体験は、このバンドならではの多幸感に溢れていて、圧倒的。パンクのライブで、横に揺れて気持ち良くなれるって、なかなか無いからね。
ファストなナンバーをセットリストから外しても、こういう大規模なイベントに集まったパンクス相手に真っ向勝負出来るのはトンデモない強みだし、何よりも、現在進行系の姿が常にカッコ良くて、バンドとしての魅力を更新し続けるというのが素晴らしい。今回も最高っした! あざっす!! と謎に体育会系気取りで気合いを入れてもらったし、身が引き締まった。最&高。
元祖立ち飲み屋 なおちゃん

……と、spike shoesまで観終わったところで、続くバンドに「スイマセン、スイマセン……」と心の中で謝りながら一時、チッタを離脱。下調べして行ってみたいと思った居酒屋。「元祖立ち飲み屋 なおちゃん」目指して中抜け。
前述したように、俺は、川崎に関してCLUB CITTA’の行き帰りしか知らない人間。たまには、そこから離れて周辺のお店で飲んでみようと思い立ったのである。安くて酔える立ち飲みスタイルの有名店らしく、てっきり、川崎の荒れたエリアにポツンとある感じなのかな……と、若干、ビビリながら向かったのだけれど、件の店は拍子抜けする程に、駅の近くかつラ チッタデッラからの距離も無いのであった。運良く席が空いていて、潜入成功。

黒ホッピーを頼んだところ、焼酎ナカの量が豪快で素晴らしかった。呑兵衛として嬉しい反面「コレは……全然、ナカ4杯飲める濃さだけど、それをやっちゃうとトリのHwaiian 6のステージまで持たないな……」と冷静に判断。3杯に留める。


取り敢えず、ガツ刺しとヤキトンを頼んだところ、辛味噌を付けて食べるスタイルで思わず嬉しくなる。俺、三鷹の加賀屋や荻窪の加賀廣が好きで、あそこは、やっぱり肉刺しやもつ焼きを辛味噌に付けて食べるんだ。もつの調味料、俺は、洋辛子よりも唐辛子よりも、辛味噌が好きだ。モツの付け合せにしらすおかかピーマンも頼む。間違いないヤツ。

このお店、外国人のスタッフさんがほとんどで、中には、ちょっと日本語のヒアリングが怪しい方もいたが、皆さん、ニコニコと元気に接客してくれるし、仕事の手際が良い。が、店内有線によるBGMが2000年代以降のJ-POPヒッツで、しかもタイミングが悪いことに所謂”炎上”を起こしたアーティストの曲が立て続けに流れ、その都度、俺は頭の中で「レイシズム……排他主義……優生思想……みたいなことを言ってた、やってた人たちの曲だ……」と思い、微妙な気分になるハメに。俺、思うんだけど、飲食店のBGMってすべからくワールド・ミュージックで良いと思う。特に、ピースフルなレゲエ。ちなみに、テレビでは野球中継をやっていて、ソフトバンクホークスの外国人助っ人なモイネロ選手が好投していた。
有線のチョイスこそ微妙だったが、酒は濃いし、肴は美味いし、良いお店だった。ホッピー3杯飲んで、肴3品食べて、サッと店を出てCLUB CITTA’へ戻る。中抜けもハードコアパンクのスピードで。
と、行き帰りの道中で、アチコチに女子バレーのポスターが貼られていることに気付く。どうやら、地元のクラブチームのようで、俺、川崎に女子のプロバレーチームが有ることなんて初めて知ったし、本当の本当にチッタ以外の川崎を何一つ知らなかったんだな……と愕然とした。

しかも、そのチーム(NEC川崎レッドロケッツ)の所属選手である山田選手のビジュアルが美麗過ぎて、アイドル的な感じで惹かれてしまう。「今度、川崎に来る時は、女子バレーと山田選手を観に行くかー」と一瞬で一目惚れ。チッタに向かいながら、「俺が今日、初めて好きになったもの。STYINKY、KiNGONS、NEC川崎レッドロケッツ!」と心の中で呟いていた。こういう新しい出会いって、音楽にしろスポーツにしろ、楽しいもんじゃないですか。
再度、Echoesへ
ハードコアパンクの世界へ出戻り。G-FREAK FACTORYを観てゆらゆら揺れたり、馬鹿なのでkamomekamomeでヘドバンし過ぎて、再度ゲロを吐きそうになるも「ここで吐いたら、周囲の楽しい雰囲気と時間を(略)」と思い必死に耐えたり、感動的なHwaiian 6によるフィナーレに気付いたら隣のお客さんと肩を組んでシンガロングして、ハイタッチして別れたりと最終盤も思いっきり楽しんだ。
様々なバンドの”パンク”を思いっきり食らって、新しい出会いもあって、エロいネーチャンも見れたし、好きな立ち呑み屋も出来たし、今後、”推せそうな”スポーツ選手にも出会えた。何より、ちょっとだけ自分の中で川崎という街に対する視野が広がった気がして、それが嬉しかった。
徹頭徹尾、楽しかった一日。来年もEchoesは開催して欲しいし、こんな最高の一日を楽しむ為に、また明日から頑張っていこうと思いながら就寝。



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