アニメ

テンポ抜群で、コミカルな演出が楽しい『にゃんこい!』第4話「美しい人」

【旧記事再録】こちらのエントリは、以前、私が「はてなダイアリー」に投稿していた旧BLOGからの再録記事です。お気に入りの記事の幾つかは、こちらの新BLOGにも少しずつ移行していこうと考えています(オリジナルは、2009年10月28日に投稿。再録にあたって、一部テキストの修正、キャプション画像の差し替えを行っています)。

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『にゃんこい!』で、提供クレジットでのジングルにボーカル曲が使用され、1話と2話では提供バックのイラストを担当するなど、本編登場前からファンの注目を浴びていた小林ゆうさん。

そんな小林さんが演じる一ノ瀬凪も遂にストーリーに本格的に登場をし、この作品、ますます目が離せなくなってきました。

一ノ瀬凪がメイン回となった第4話「美しい人」ですが、この作品が持つテンポの良さと、個性的な演出が全編に出ていて、色々な意味で突き抜けた素晴らしい回となっていました。

『にゃんこい!』のテンポの良さと、ヒロインズ

本作がスタートしてから、ずっと魅力に感じていたのが、その圧倒的なテンポの良さです。

しかも、ただ単にスムーズにストーリーが展開されるというだけでなく、そこにキャラクターの魅力を引き立てる工夫や、コメディ作品としての笑いの要素を加盛り込みつつ、緻密にシナリオが構成されている印象を受けます。

例えば、第4話までで潤平を取り巻く4人の女性キャラクター……メインヒロインの楓、幼馴染の加奈子、お姉さんキャラの千鶴さん、そして楓の先輩である凪……が出揃ったわけですが、この娘たちの登場の仕方もなかなかに凝っていたように思うのです。

1話~4話を振り返ってみると、第1話のAパートでは、潤平と猫たちの間でストーリーがドンドン進んでいき、Bパートに突入してから潤平と楓の交流がスタート。

第2話の学園祭のエピソードは、1話で登場しなかった加奈子が主役のメイン回で、第3話のAパートでは、1話と2話にちょっとづつ出ていた千鶴さんが本格的に登場し、Bパートでは楓との出会いを描く潤平の回想シーンに突入。

そして、3話のラストで「引き」として登場していた凪が、第4話ではメインになり……といった具合に、この辺りも非常にテンポ良くキャラクターが物語に配置されていたことに気付きます。

4週を使って、4人のキャラクターが出てくるわけですから、各回でヒロイン一人にスポットを当てて話を進めていくという方法もあったのでしょうが、そこで敢えてAパートとBパートというテレビアニメの構成を巧みに用いつつ、各ヒロインの個性や潤平との関係を描いていく上手さ。

そして、千鶴さんのように1話丸々メインとして描かれていないキャラクターでも、事前に顔出しを行い伏線を張るなどして、印象を薄めないようにするといった工夫が、見ていてとにかく気持ちがいい。この辺りは、原作漫画の上手さと、アニメ脚本の再構成の上手さが、とても気持ちよく噛み合っています。

各キャラクターの魅力を過不足なく描き、なおかつ作品のテンポ感を大事にしてストーリーを進めていく凄さですよね。

そして、そうした魅力と小気味良さを、本作のもう一つの魅力であるコメディ方面に大きく振り切ったのが、第4話「美しい人」だと思うのです。

コメディシーンのドライブ感

場面転換の際も、こうしたポップで楽しいアニメーションが使用されていて、可愛らしさを強調しつつ、次から次にシークエンスが繋がっていく。

描き文字を多用した演出も、とても楽しかったですね! フキダシや文字を巧みに使用して、キャラクターの感情表現や心理描写、ストーリーの進行を加速させる。

映像面でもシナリオ面でも、こうした文字を使った演出の数々が第4話の速度に与えていた影響というのは、相当に大きかったように思います。

また、劇中で大々的に使われていた、ダイナミックでコミカルな演出の数々も最高でした!

イメージシーンを使用したキャラクターの動きや感情表現の見せ方も兎に角、上手い。

これまで以上に大胆に絵を崩して見せるリアクション演出にも大いに笑わせていただきました。

こうした場面でも、フキダシや文字を使用した演出が加わることにより、更にパワフルに、よりコミカルに、見ている側に作品の笑いのグルーヴが伝わってきます。

個性的な演出の数々に加えて、各声優さんの演技力の魅力を存分に味わえたのも、本エピソードの素晴らしいところ。中でも、小林ゆうさんの”怪演”は、視聴者に強烈な印象を残したことかと思います。

コメディ回として屈指のおもしろさを誇る傑作エピソード!

とにかくテンポの良い『にゃんこい!』ですが、「美しい人」はシリーズを通して見てみても、突出したエピソードとなり得るかもしれません。

元来の作品のテンポ感に加えて、ユニークな演出や、声優さんの演技が加わることで、各キャラクターの言動やギャグに、更に、コミカルさが増していく様が、とにかく見ていて痛快で気持ちが良い。

もう、何度も何度も録画したものを見返しているんですが、全く飽きることがありません。ひたすらスピーディーで展開ビシバシ。こういう傑作エピソードを観たくて、自分は、テレビアニメを観続けているのかもしれません。

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第4話がおもしろ過ぎて、そのテンションのままで書いた感想文だったのですが、この頃は、未だアニメの観方が全然、分かっておらず(今も分かっておりませんが……)、「演出家」に注目してアニメ語りをするという視点が完全に抜け落ちてますね……。

この回で演出を担当されたのは、出崎演出の(暴走気味の)オマージュや、『刃牙』シリーズのパロディでお馴染みの中野英明さんですね。いや、やっぱり、こうやって見返してみても、持ち味が存分に出ていて素晴らしいですね。

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